iOSの家計簿アプリとして170万ダウンロードを超えている人気アプリ「Monelyze」。
「シンプルで使いやすい」と評判でレビューも高評価がたくさん。
今回は、このMonelyzeの開発者である濱北さんにインタビューしました。
テーマは「170万ダウンロードを超える家計簿アプリが生まれるまでの話」。
そんなヒットしたアプリ開発の道のりを知りたくありませんか?
濱北さんがプログラミングを始める前から今に至るまでのプロセスをお話してもらいました!
目次
- 保険屋→エンジニアへ転職→独立
- Swiftは独学…?
- 興味があって、本当にやりたかったこと
- ど素人から二年で独立…?!
- 家に帰ってからもコードを書き続ける日々
- 自分がやりたいこと・好きなことは続けられた
- 独立後のモチベーション管理は…?
- 不安と楽しさの2つのモチベーション
- 家計簿アプリに選んだ理由は?
- 好きだけど得意じゃなかった、野球からの学び
- プログラミングを始めた頃は挫折の繰り返し
- アプリ事業のためにSwiftを始めた
- Monelyzeの前に作ったギャンブル用収支管理アプリ
- これから作ろうとしてるアプリは?
- グロースのための試行錯誤
- 2019年4月に個人事業主から法人化
- アプリをヒットさせるための秘訣!
- 家計簿アプリ・Monelyzeのダウンロードはこちら!
保険屋→エンジニアへ転職→独立
kirohi
今に至るまでの過程とかってどんな感じだったか聞いてもいいですか?
でも色々問題が重なってもう続けられん状態になって、そっから上京したって感じやな。
でエンジニアとして一回普通に就職したんよ。
ど素人やったから月給手取り15万とかやったな。
でも当時29とか30とかで、もうマズイやんか確実に(笑)
給料あげたいというか、副業みたいな感じで自分でマネタイズした方が早いなって思ってたんよね。
で、そっちが売り上げ上がったから、昼に勤めてたのを辞めたっていう流れですね。
Swiftは独学…?
Swift…iOSアプリを開発するためのプログラミング言語
最後の方若干Swiftがあったかなってぐらいやけど、その時は他の人に任せて仕事してたりとかで、Swiftはほぼ書いてなかったな。
昔からのプロジェクトはまだObjective-Cとかが多かったしな。
保険までは、ずっと三重まででやってたって感じなんですね。
そこから受託企業でエンジニアをやるために、東京に来たっていう。
興味があって、本当にやりたかったこと
保険の仕事はフルコミッションで完全に歩合やから、売れたらもらえるけど売れんかったら0円で。法の規制とかで個人でやっていくのも難しくなってきて無理やってなって。
どうしよっかなって悩んで。そんでもう、やりたいことやろうって思って。
で、本当にやりたいことを考えて出てきたのが、一番興味あったIT系やったんよな。
自分で商売しよう、って思ってたから運用資金も製造やったら億ぐらいいるやん(笑)
そうなったら確かに、ITが一番はじめやすそうですね。
そうやな、パソコン一台あればできるし。
で、ITの道に決めて上京したって感じかな。
ど素人から二年で独立…?!
うん。ど素人からの二年で独立は多分早い方やな。
でもエンジニアリング力は全然なかったよ。
一年くらいやった後に、アプリ作り始めて。
それで次の一年くらいでいけるって感じになったな。
家に帰ってからもコードを書き続ける日々
そのスピードだったらやっぱり家でもずっとやってたって感じですか?
エンジニアとしての仕事が終わった後もやるみたいな。
まさに、そうやな。
マジでもう、ひたすらコード書いてたな(笑)
仕事終わってからももちろん帰ってからやってたし。
ただ部屋がもう狭いから。スタバ行って作業して。
飯はケチってたけど、スタバ代は自己投資やったな。
遊びに行く金も別にないからさ。
合コン誘われたとしても「月給15万円ですー」とか言えへんやん(笑)
そこの勉強のモチベーションの保ち方とかって知りたい情報だと思うんですよね。
何か工夫とかってありましたか?
よく聞く事かもしれんけど、環境に身を置くのが一番やったな。
全財産50万円くらいの時に東京きて。不動産借りたら数ヶ月で無くなるレベルやん(笑)
毎月クレジットカードとか上手く使わんとキャッシュアウトするみたいな(笑)
単純にモチベーションは、「やらな破産する」っていう感じやったな。
でもそこで、また転職とかで別の職種に行かなかったのは、独立志向が強かったりしたのかなって思います。
自分がやりたいこと・好きなことは続けられた
うーん、そうやな。
おかんが学校の先生で、色々習い事とか習わされてたんよ。
塾とかそろばんとか水泳とか。
でも自分がやりたくないやつは全然やらずに、いってきますって言いながら行かなかったりで頑固やったな(笑)
で、逆に自分から始めた野球とかは結構続いたりして。
昔から自分がやりたいってことはやってきた、って感じかもしれんね。
ただ、何かやめるって時は結構不安になるよ。高校辞めた時も一年で辞めるって言うから、しかもおかんが教師やし(笑)
転職とかの時も、連れに聞いても誰に聞いても反対されてたしな。
「お前、そんなええ年で東京行くって大丈夫か?」みたいな(笑)
あとは学歴が無いから、良い企業に勤められないっていうのもあるかもしれんけどな。
大学行ってたらどうなっとったか分からへんけど。
モチベーションでいうと、もちろん人間やから全然やる気ない時もあるよ(笑)
あんまり作業してなかったら、自己嫌悪にも陥るし。
そうそれで、さっきのにも繋がるけど、家おったら出来んからあえてスタバ行くとか。
スタバとかだったら、周りの目とかあってPrime Video見たりとか出来んから(笑)
独立後のモチベーション管理は…?
そういう頃を経て、独立した後の方のモチベーションとかはどんな感じだったんですか?
結構、お金的にも余裕が生まれたんじゃないかなーって。
うん、全然違ったね。時間的にも身体的にも全然楽やしね。
遊ぼうと思ったらいくらでも遊べるし、寝ようと思ったらいくらでも寝れるし(笑)
自己管理とか、正直できてない(笑)
今日も昼頃起きたし(笑)
でもなんやろな、習慣にはなってて。
全くコード書かないとか作業しないとかっていう日は無いな。
起きてからのフレッシュな時に作業はやろうって思ってて。
不安と楽しさの2つのモチベーション
ただでもやっぱりめちゃくちゃ不安やな。
広告収入やから、ダウンロードされんくなったらアウトで終わりやから。
そういう不安からくるモチベーションとかもあるよね。
ただでも逆に、「この機能実装したら、これだけの多くのユーザーが使ってくれるんや!」ってポジティブなモチベもあるよ。
弾けたときの怖さってやっぱありますよね。
うん、このビジネス自体あと20年は絶対持たないと思ってて。
10年も微妙やと思ってて。
その次に何するかって、そこはよく考えるかな。
家計簿アプリに選んだ理由は?
作られてる「Monelyze」って家計簿のアプリじゃないですか。
作ろうと思った理由とか聞きたいなと思います。
結論からいうと、すごい単純で。
「自分が情熱を注げて、かつ得意」っていうので決めたかな。
保険やってたから金融はまぁ知ってて好きやったんよな。
自分が上手いというか。
金融は適正が合ったって感じですね。
そうやな。それがでも好きやけど得意じゃなかったこともあって。
好きだけど得意じゃなかった、野球からの学び
それが僕の場合は野球なんよね。
めっちゃ好きで、さっきも言った通り、野球は小学校の頃に自分から始めたんよね。
中学校入っても三年間家で素振りしたり、自主練もするし、ちゃんと本とかも読んでイメトレとかもしてたんやけど、ずっと補欠やったんよね(笑)
で、最後の夏の大会も初戦で敗退して、出ることも出来ずに終わって。
その時に、「自分がめっちゃ好きでも、得意な分野じゃないとあかんな」と(笑)
得意な領域で戦うの大事ですよね。
そうそう。
そんで野球はもう高校ではやらんかった(笑)
プログラミングを始めた頃は挫折の繰り返し
結構挫折する人は多いと思います。
最初は僕も何回も挫折してるよ。
本屋行ってJavaの本買ってきて挫折したし。
ドットインストールでJavaScriptとかやったけど、何作ればいいか分からんで挫折したし(笑)
英語もマジで難しいし、エラーメッセージも英語力中一レベルやから読めへんし(笑)
で、そしたらやっぱ間違えたかなって思うよね。
でもまぁ当時はもうやるしかなくてやってたら、Swiftに限っては割と出来るというか、むしろちょっと好きになってきて。
Swiftだったら挫折ポイントはあんまり無かったんですか?
あーでもバージョンが1から2とか2から3に上がる時に、死ぬほど破壊的な変更があって。
それを素人レベルで変更するのは怖かったな。
あとはデータベースのrealmがクラッシュとかしててそのままアップデートした時とか、「データ消えた」みたいなコメントとか来てキツかったな(笑)
アプリ事業のためにSwiftを始めた
SwiftってもうiOSのアプリ作って事業にするために勉強してたって感じなんですか?
うん、もう完全に自分のアプリ作るために勉強したな。
そう家計簿選んだって言うのは、得意って言うのとあとは儲けられそうかっていうのも考えたな。
他のエンジニアの人に多いと思うのが、本当に自分の好きなものを作るって言う人なんよね。
でも僕の場合は絶対マネタイズから最初に考えるんよね。
何でかっていうと、やっぱ15万円しかなかったから(笑)
1万でも2万でも儲けたら、ラーメンに半熟卵とかトッピング普通に出来るようになるなって思って、それがモチベーションになったな(笑)
確かに、トッピングしたい(笑)
マネタイズできるか。
それまでの人生でも、そこに関しては結構考えたな。
それで、サーバーとかコストがかかるものは除外して、ランニングコストが低くて作れそうなアプリのアイデアの1つが家計簿だったんよね。
決めたあとは頭の中で「こういうアプリだったら俺も使う」っていうのを実装していったって感じやな。
Monelyzeの前に作ったギャンブル用収支管理アプリ
で、実はその家計簿の前に最初にギャンブル用の収支管理アプリって言うのを作ってたんよね。
それも高校中退してギャンブルばっかやってた時に、いくら買った負けたっていうのを見れるみたいな。
それもそこそこダウンロードされてて。
家計簿は結構レッドオーシャンな領域で、ギャンブルの方は割とブルーオーシャンで。
最初はギャンブルの方で腕試ししてみて、バグ無いか確認してリリースして。
良い感じにいったら家計簿でも同じようにリリースしようと。
確かにギャンブル用は、家計簿に比べたら少なそう。
最近は結構この「ギャンブル用の収支管理アプリ」の方が、家計簿の方よりも有料会員の伸びが良くて。
サブスクの金額は月額何円くらいですか?
家計簿は月額280円にしてて、ギャンブルの方は月額480円にしてて。
登録数もこっちの方が伸びるし、まだまだイケるって思ってるから今はいかにこっちを上げようかなって戦略練ってやってるところやな。
この2つのアプリってそこそこシナジーがあって、片方登録したらもう片方のアプリも安く使えるよっていう感じに打ってみたんよね。
うん。
ただ、実際こういう機能とかってどこに注力するべきか結構悩むポイントで。
三ヶ月使って作ったアプリが全然ダメやったとか、時間無駄になるから悩みポイントなんよね。
これから作ろうとしてるアプリは?
これから作ろうとしてるアプリとかって何か考えてるんですか?
技術的には、地図って実際難しそうなとことかあったりするんですかね。
アプリの大変な点としては、Appleのガイドラインとかどわーって書いてあるやつに沿うかどうか確認せんといけんところがあるな。
うん。あとはコストとか技術選定とか画面設計とか、コード書く前にも色々やることあって、どちらかというとそっちの方が大変かもしれんな。
実際その設計とかがしっかりしてないと、時間費そうって気にもならないですし、あとあと変更しにくいとかなったらまた面倒ですしね。
グロースのための試行錯誤
やってきたこととしては何個もあるんやけど、ASOとかももちろんやるし。
家計簿のアプリって他にもMoney ForwardとかZaimとかいっぱいあるんやけど、iOSのアプリって開発者側がアプリをアップデートするとレビューがリセットされてたんよね。
ちゃんとそういう企業のアプリは毎週アップデートをやってたんやけど、それに途中で気が付いて、良い感じのアップデートのところであえて止めたんよね。レビューの星4.4くらいのところで。
3万件で4.4みたいな。
ASO..アプリストア最適化
そう(笑) 良いアップデートのところで止めて、レビュー増えてダウンロード増えるっていうサイクルが続いたのが結構大きかったかな。
他の特殊なことは全然してなかったかな。
そうやね。広告出す金も無かったしね(笑)
普通に失敗もたくさんあって。例えば、このアプリをシェアしてくれたら広告消してあげるよみたいな。
でもやってみたけど全然効果無かったりとかで。
iOS10くらいから検索後にアプリを広告で上に表示出来るようになったから、資本力で物を言わせられるみたいなのに引きずってられてるのはあるな。
2019年4月に個人事業主から法人化
ざっくり言うと、法人の方が色々やりやすくて便利なんよね。個人だとやりにくかったことができたり。
一個理不尽なのがあってギャンブルのアプリの話したやん。
あれが急にAppStoreから削除されて。
そう。「削除します」じゃなくて「削除しました」ってメールが英語でAppleから来て。
「はぁ?」ってなるやん。でその理由調べてみたら、「法人以外の個人事業主がギャンブルに関わるアプリをリリースできなくなりました」って。
それが結構iOS界隈ではニュースになって。
やっぱりプラットフォームに乗っかってるものの弱さやなって思ったな。
法人化の話に戻すと、やっぱ会社にすることで信頼が得られるんよね。
人雇うのも個人事業主よりも会社の方が信頼の面で雇いやすいし。
なるほどですね。
確かに聞いてると、法人化したほうがメリットが多そうな感じがしました。
アプリをヒットさせるための秘訣!
最後に、アプリを170万ダウンロードまでグロースさせた秘訣みたいなのがあればお願いします(笑)
うん、「しぶとさ」ですよね(笑)
しぶとく、コツコツやるのが一番大事やと思うな。
今回のインタビューでは、Monelyzeを開発している濱北さんから「170万ダウンロードを超える家計簿アプリが生まれるまでの話」をお聞きしました。
イギリスの政治家・スタンリー・ボールドウィンは「人間、志を立てるのに遅すぎることはない」という言葉を残していますが、今回の話で思い出しました。
年齢や環境に言い訳をせず、自分の責任でやりたいことを選ぶ。
忘れがちで難しいけれど、心に刻んでプロダクト開発をしていこうと思います。
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